■中国*ウイグル自治区*トルファン

中国にはイスラム教徒はたくさんいる。
イスラム教徒を中国では回族と表記する。
初めてカメラをスラれたのは回族自治州だったし、蘭州の名物料理であり私も大好きな [ 牛肉面 ] は回族の料理だし、中国中央部では、中華風な建築のモスクもよく目にする。

しかしここウイグルは、中国の他のエリアの回族とは全く違っていた。
彼らは回族ではない。
ウイグル族だ。
言葉も漢語を使う回族とは違い、アラビアチックな文字のウイグル語を話す。
モスクも私がイメージするタマネギ屋根のモスク。
そして明らかに人々の顔が違う。
ペルシャな感じとでも言いましょうか、とてもエキゾチック。
顔全部を毛糸で編んだショールで覆っている年配の女性も多い。
路線バスの運転手や乗客とは、もう筆談はできない。


敦煌から寝台バスで、ウイグルのトルファンに着いた。
トルファン。
その響きが素敵。
それだけの理由でトルファンに行こうと思った。

寝台バスの中で、私の並びにいた一人旅の中国人女性が、今まで見かけた中国人とは明らかに違う様子だった。
私は、景色だけを楽しみに過酷なバスの旅を選んでいるのに、たいがいの中国人女性はカーテンを閉めて寝てしまう。
しかしその女性は、中途半端に開いたカーテンを大きく開き、起きてずっと外を眺めている。
ラッキー。反対側の景色も楽しめる!
自分に日が当たっているのに、それでもカーテンを閉めない。
こんな中国人は初めて見た。
いやいや違う、スタイルは完全に中国人だが、間違いない、彼女は中国人ではない!

明け方、まだ真暗なところを[トルファンに着いたよ]と起こされて、先のウルムチまで行くバスを私は降りた。
一本道しかない、とても町とは思えない所だった。
と、先程の女性も降りてきた。
どうやらここで降りるのは2人だけのようだ。
バスの中で彼女の行動を見て、私は半確信を持っていたので話しかけた。
[日本人ですか?]
真暗で街灯もなく、ここがどこなのかも分からないが、バスから降りる客を待っていたタクシーで、日本人女性トモコさんと一緒にとりあえず宿を探すことになった。

トルファンで安宿を探すのは難しかった。
中国では外国人が泊まれるのは、比較的高級なホテルとユースホステルくらいしか無いはずなのだが、他の街ではこれが緩やかな所が多く、安宿を探すのには苦労しない。
北京ではこれが非常に厳格に守られていたが、ホテルの数が格段に多く、苦労もしなかったが、トルファンは北京よりはるかに小さな街、ホテルの絶対数が北京とは違う。
そしてこれが厳格に守られていた。。

タクシーの運転手は、どのホテルが外国人を泊めて良いのか知るはずもなく、結局3時間以上は走り回った。
街はすっかり明るくなっていた。

途中、ラチあかないと気付いた運転手は、他の客を乗せて目的地に運びだし、私達は後回しとなった。
おかげで、生まれて初めて油田を見ることができた。
私が以前保有していた中国株[ペトロチャイナ]の油田だった。
油田に通勤で行く客には朝ご飯までご馳走になり、ドライブ気分で私とトモコさんは、観光を楽しんだ。
荒野の油田1 荒野の油田2 荒野の油田3

結局、初めに運転手が連れていってくれたバカ高いホテルに、私達は共同で一部屋取ることにしたが、走り回っている3時間の間に、このホテルは大きく値下げをしていて、100元(1500円)でツインルームが取れた。
タクシーには非常に申し訳ないと思ったが、初めの約束通り2人で20元を払った。

トモコさんとの3日間はとても楽しかった。
見どころの観光地はみな郊外にあり、シーズンオフの3月にツアーは無く、車をチャーターして行く他ない。
一人でこの費用を負担し、一人で感動するのは、私は正直つらくなっていた。

トモコさんはツワモノで、オーストラリアから世界一周を始め、中国では中国語が必須な事に気付き、北京で3カ月中国語を勉強してから旅をしていた。
この旅で初めて会った日本人の一人旅の女性は、非常に興味深い人だった。

先程のタクシーの運転手もそうだったが、ウイグル人は特に親切でおだやかだ。
見た目は怖い感じでも、話しかけると急に優しい笑顔に変わる。
そのギャップが私には嬉しい。
チャーターした車の運転手アリムも、口数は少ないがとても信用できる人だと感じた。

アリムは中国語が分かるトモコさんに、中国語でウイグルやトルファンの事を話してくれた。
観光名所はもちろん、美味しいレストランや屋台街、市場など、私達だけでは知り得ない、トルファンの生活の匂いのする場所へも案内してくれ、おまけにご馳走までしてくれた。
ウイグルのポピュラーな麺[ラグメン]と羊の串焼き。 郊外のバザール入り口、水色の服トモコ、左の紺のシャツはアリム。 トルファン郊外

吐峪溝
吐峪溝の道 吐峪溝の村 吐峪溝の墓地

交河遺跡
1500年前の交河遺跡 割れた食器が無造作に散らばっている。 遺跡の横は崖

2日間車をチャーターし、思った以上にトルファンを充分に楽しみ、しかし今は名物のブドウが枯れ草となっているので、次回はブドウがたわわに実る夏にまた来ようと心から思った。
トルファンのメインストリートのブドウ棚 ブドウ畑


しかしそんな素敵なトルファンを、私達2人で歩いていた時、衝撃的な事件に出会った。
トモコさんがひったくりにあった。
屋台の人と私達が話していると、一人の女性が割り込んできたので、てっきり店の関係者と思いきや、いきなりトモコさんが左手から下げていた袋をひったくり、全速力で人ごみに消えていった。
何かの冗談かと思った。
それを見ていた周りの人は何か私達に言っていたが、この街ではこういうことは珍しくはない様子だった。
幸い、その袋には、先程買ったサモサしか入っていなかった。
だからトモコさんも騒がず、私達はその場を後にした。

ひったくりによる被害はまったくと言っていいほど無かったが、この先長く旅を続ける私達には良い教訓となった。

そしてトモコさんはカシュガルへ。
私はクチャへと向かった。



■コメント

■Re: 中国*ウイグル自治区*トルファン~カシュガル [ トルファン ] [kaz]

もうウイグルまで行ったんすねえ。
確かに中国というよりペルシャだよね。

タクシー、シェアできる相棒が見つかって良かったねー。

まだまだ中国の旅は続くんですか?
それともそろそろ他の国に?

■Re: kaz [リサ]

急遽、中国を出てキルギスタンに行くことになりました。
せっかく中国語覚えて、日常はまったく筆談無しでやれるようになったのに、今度はロシア語だよ(泣)
まだ中国語の方が、日本に居る時から、ニイハオとシエシエは知ってたからマシだよ。
私、どうなっちゃうのかね。。。

■Re: 中国*ウイグル自治区*トルファン [マヤ]

ひったくりやら盗難やら、物騒な国だよね。
改めて日本の安全さに感謝だね。

■Re: マヤ [リサ]

日本も物騒だよ。
Y美はひったくりにあってるし、某マスターは知らない男に塩酸かけられてるし、、、
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リサ婆

カレー屋歴3ヶ月
バーのママ歴
中野で4年
歌舞伎町で11年
海外旅行歴
人生の中で延べ約4年
約50ヶ国
春から間借りでカレー屋を始めましたが、7月31日閉店しました。

!注意!お願い!
本文中、イスラム教を国教とした国の事を「イスラム国」と書いたのがたくさん出てきますが、それを書いた時点ではまだイスラム国(ダーイッシュ、ISIS)が無かったため、そのような表記になっております。
ですので本文中にある「イスラム国」は、ISISとは関係なく「イスラム教の世界」「イスラム教を国教とする国」というニュアンスでお読みください。

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