■中国*寧夏回族自治区*銀川(インチュアン)*「たび重なる事件①」

ここ銀川は、
中国史が好きな人には、「西夏王国」の首都だったところ、と言えば分かるのではなかろうか。
食べ物好きには、「クコ」の産地、と言っておこう。
クコの実を、お茶に入れて飲むことを、前の都市蘭州で覚えたので、日本では高価なこの実をやや多めに買いだめをした。
また、この実は酒に漬け込むと、滋養強壮酒になるという。

そしてここは乾燥している。
日本から持ってきた「メンソレータム薬用リップ」はここでは役立たずになった。
つけてもつけてもすぐに唇が乾燥する。
だから洗濯物も乾くのが早い。
成都では2~3日乾かなかったが、ここでは半日で乾く。
喉も渇く。


銀川に到着した翌朝、フフホト行きのバスの出るターミナルへの行き方を、宿のフロントの女性に訊いたら、実に親切丁寧に教えてくれ、かなり遠くの場所だったが、迷うことなくすんなりとそこへ行けた。
そもそも私は、宿のフロントの人が気に入らないところへは泊まらない。
だから私の泊まる宿の人は皆、優しく丁寧で感じのよい人ばかりなのだ。

バスターミナルの手前に空き地の面白い風景があったので、それを写真に撮り、カメラをいつも通りカバンのいつものポケットにしまった。

歩いてここへ来るまでに、この町は3泊すれば満足するだろうとふんで、翌々日のフフホト行きのチケットを買い、ターミナルから公共バスで街で一番大きい公園へ行った。

公園では子供達が凧揚げをしていて、凧屋がたくさん出ていた。
日本の凧とはかなり趣が違って面白かったので、その風景を写真に撮ろうとした。

ところがだ、無いのだ。
カメラが無い。
カメラだけが無い。

自分を落ち着かせ、全身全部探したが見つからなかった。
最後に写真を撮ってから、1時間は経っていない。
その間、どこでどうして無くなったのかさっぱり見当がつかない・・・・

脱力した。
この旅のすべての映像が入っているだけでなく、ロマンと一緒の1週間にロマンのカメラで撮った写真やビデオもすべてもらってその中に納めていた。

もう見つからないと分かっていた。
この街がやけに広く感じた。

しばらく公園にたたずんでいたが、諦めは案外早くついた。
財布もパスポートも無事だ。

私はクレジットカードを持っており、それには日本出国後3ヶ月間の保険がついている。
おそらくスリに遭ったのだから、盗難被害証明をもらい、保険を適応して新しくカメラを買おう!

近くの人に、警察はどこか訊いたが知らないと言われた。
ここは都会。
誰が地元の人で、誰が観光客なのか、私には分からなかった。

こういう時は宿に帰って相談しよう!

宿のフロントで事情を筆談すると、横でそれを聞いていた掃除人の女性が、
「20分待ってて。そしたら私の仕事が終わるので、警察に一緒に行って、事情を話してあげる。」
と言ってくれた。
心から有難いと感謝した。

が、私は、結果的にこの恩を仇で返すこととなってしまった。

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リサ婆

カレー屋歴3ヶ月
バーのママ歴
中野で4年
歌舞伎町で11年
海外旅行歴
人生の中で延べ約4年
約50ヶ国
春から間借りでカレー屋を始めましたが、7月31日閉店しました。

!注意!お願い!
本文中、イスラム教を国教とした国の事を「イスラム国」と書いたのがたくさん出てきますが、それを書いた時点ではまだイスラム国(ダーイッシュ、ISIS)が無かったため、そのような表記になっております。
ですので本文中にある「イスラム国」は、ISISとは関係なく「イスラム教の世界」「イスラム教を国教とする国」というニュアンスでお読みください。

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