■笠井さん

高円寺といえば「この人」と、私の中で思っている人がいる。

笠井さん。
知り合ってまだ1年余りなのだけれど、高円寺に足を踏み入れる際は、この人に連絡して会おうかしらと思う人だ。

今年の高円寺の阿波踊りの時に、私はかき氷バーの出店したのだけれど、彼の多大なる協力のもと、私の憧れだった阿波踊りでの出店を現実にできた。

つい6日前の月曜日、私は久しぶりに高円寺に買い物に行ったので、笠井さんに突然連絡をしたら、すぐに現れてくれた。
笠井さんはそういう人だ。連絡すると、すぐに来てくれる。

高円寺を散歩がてら古着屋をたくさん案内してくれ、途中美味しそうな九州料理居酒屋があったので、二人で食事をした。
そこで何を話したのかも良く覚えていないほど、普段と同じような会話をしたのだと思う。
リラックスして、笑って、飲んで食べて、それは本当にいつもと同じだった。
私は自転車を駅前に停めていたので、笠井さんに持たせていた重い荷物をカゴに乗せ、いつものように見送る彼に「またねー」と言って別れた。
「またね」はあると疑いもしなかった。

そして「またね」はすぐに訪れた。
しかし、再び会った笠井さんは、棺桶の中で固く横たわっていた。

私と会った二日後、脳内出血で即死だと聞いた。

棺桶の中の彼は、今まで私に見せたことが無いような苦しい顔をしているように感じた。
突然の孤独死で、苦しかったであろう辛かったであろう。
未練もたくさんあるだろう。

まだ53歳の若さにして、ご両親よりも早く旅立つことで、葬儀の会場は深い悲しみに包まれていた。

いよいよ出棺で、笠井さんの肉体とこれで最期のお別れの時、あらためてお顔を見ると、どういうことか笠井さんの顔は、実に穏やかで安らいでいた。
私は、安堵したと同時に、私もこのお別れに踏ん切りをつけなくてはと思った。

葬儀の帰り、高円寺駅はいつもと変わらなかった。
笠井さんと一緒にごはん食べようかな、と、反射的に思う私が、まだそこにいた。

■コメント

■Re:笠井さん [マヤ]

お別れして来たんだね。
ご冥福をお祈りします。

■ [リサ]

マヤ
少しづつ現実として受け止められるようになってるよ。

■Re:笠井さん [MQ~]

そんなに大切な人のお通夜とはつゆ知らず....

■Re:MQさん [リサ]

いえいえ、MQさんとは心から素直にお話しができるので、いらしてくれて本当に良かったです。
営業トークをしなくても良くて、助かりました。
どうもありがとう。
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リサ婆

カレー屋歴3ヶ月
バーのママ歴
中野で4年
歌舞伎町で11年
海外旅行歴
人生の中で延べ約4年
約50ヶ国
春から間借りでカレー屋を始めましたが、7月31日閉店しました。

!注意!お願い!
本文中、イスラム教を国教とした国の事を「イスラム国」と書いたのがたくさん出てきますが、それを書いた時点ではまだイスラム国(ダーイッシュ、ISIS)が無かったため、そのような表記になっております。
ですので本文中にある「イスラム国」は、ISISとは関係なく「イスラム教の世界」「イスラム教を国教とする国」というニュアンスでお読みください。

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